閉経後女性のインスリン抵抗性と乳がん

閉経後の女性は、特に乳がんリスクが上がると考えられます。もちろんがんのエサは糖質なので、糖質過剰摂取は非常に危険です。

今回の研究では、閉経後女性のインスリン抵抗性と乳がんの関連について調べています。22,837人の閉経後の女性を対象としています。追跡期間の中央値19.6年で22,837人のうち1,328人(5.8%)に乳がんが発生しました。(図は原文より)

上の図は、インスリン抵抗性を表すHOMA-IRと乳がん発症リスクの関連です。HOMA-IRが最も高い群では乳がんリスクは1.34倍でした。

上の図は腹囲別の乳がんリスクです。腹囲が88cm未満では有意差が出ませんでしたが、88m以上では最もHOMA-IRが高い群では乳がんが1.49倍でした。

上の図はBMI別です。BMI別では確かにHOMA-IRが高い方がリスクが高いグループもありますが、BMI35以上ではHOMA-IRとは全く関連してません。逆にBMIが35以上でインスリン抵抗性が低いことがあるのかな?

乳がんの女性1,328人のうち、512人 (38.6%) が最終追跡調査時に死亡しており、484人 (94.5%) の死因が判明していました。乳がんは最も一般的な死因 (151 人死亡、29.5%) であり、次いで心血管疾患 (129 人死亡、25.1%)、その他のがん (68 人死亡、13.2%) でした。

上の図は、Aは乳がんによる死亡リスク、Bは乳がん後の全原因死亡リスクです。HOMA-IRによって乳がんによる死亡リスク関連がありませんが、全原因死亡は最もHOMA-IRが高い群で1.78倍になっていました。

以前の記事「インスリン抵抗性と乳がんのリスクとの関連」でも、インスリン抵抗性を表すTyGインデックスとの関連を書きました。HOMA-IRは空腹時インスリンを測定することを通常では行っていないので、HOMA-IRを知ることはハードルが高いでしょう。そのかわりTyGインデックスは簡単にわかります。

いずれにしても、インスリン過剰分泌を起こすことは乳がんリスクになります。インスリン過剰分泌は糖質過剰摂取で起こります。がんは糖質過剰症候群です。

「Insulin resistance and breast cancer incidence and mortality in postmenopausal women in the Women’s Health Initiative」

「女性健康イニシアチブにおける閉経後女性のインスリン抵抗性と乳がんの発生率および死亡率」(原文はここ

2 thoughts on “閉経後女性のインスリン抵抗性と乳がん

  1. 糖質制限の話をしていて
    「女性は(男性と違って)甘い物は
    欠かせない(必須)」
    と言われた事があります。

    女性は男性より体調管理が
    大変そうではありますが、
    「甘い物を欠かさない」
    事から起こる不調も
    多いのではないでしょうか?

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