GLP-1受容体作動薬は様々な副作用があります。(「その1」「その2」「その3」「その4」「その5」「その6」「その7」参照)
今回は勃起不全(ED)です。Proceedings of the 24th Annual Fall Scientific Meeting of SMSNAという学会の中の演題発表の要旨を見てみましょう。(ここより)
肥満の非糖尿病男性に、減量を適応としてGLP-1受容体作動薬のセマグルチドを処方した後に勃起不全を発症するリスクを評価しました。2021年6月1日以降にセマグルチドを処方された18~50歳の非糖尿病男性2,117人が対象で、傾向をマッチさせた対照群2,117人と比較しました。(図はここより)
上の図は患者背景と、セマグルチド処方後のED診断および/またはホスホジエステラーゼ5阻害剤(PDE5i)の処方を受けた割合、テストステロン欠乏症の発症の割合を示しています。
対照群と比較すると、セマグルチドを処方された男性はEDとなる可能性が10倍になっていました。同様に、テストステロン欠乏症と診断されるリスクも2.25倍になっていました。
そして、上の研究が最近論文となっていました。セマグルチド処方を受けた 18~50 歳の非糖尿病の肥満男性の数がおよそ1.5倍の3,094人に増加しています。非糖尿病肥満男性の初回処方時の平均年齢は37.8 ± 7.8歳、平均BMIは38.6 ± 5.6でした。(図は原文より)
「Prescribing semaglutide for weight loss in non-diabetic, obese patients is associated with an increased risk of erectile dysfunction: a TriNetX database study」
「非糖尿病の肥満患者に減量目的でセマグルチドを処方すると、勃起不全のリスクが増加する:TriNetXデータベース研究」(原文はここ)
意図的かは不明ですが、
「治療」が新たな治療の呼び水
になるパターンが、
あまりにも多いような、、、