光感受性薬と皮膚がん

以前の記事「スタチンと皮膚がん」では、スタチンが皮膚がんのリスク増加の原因となることを書きました。では、なぜスタチンが皮膚がんと関係しているのでしょうか?

実はスタチンだけでなく、他にも皮膚がんと関係している薬はいっぱいあります。光感受性薬(Photosensitizing Medications)といい、服用や外用により皮膚が紫外線やレーザー光に対して過敏(光線過敏症)になります。有名なところでは、整形外科などではよく処方される、モーラステープという湿布薬がありますが、私も一度モーラステープを貼った後に、日光に当たってしまって、赤くかぶれたようになり、しばらく色素沈着のような状態になりました。

特定の光感受性薬への曝露が、皮膚がんのリスクを高めることを示唆するエビデンスがあります。光感受性薬の薬物代謝物は、紫外線と相互作用して活性酸素種を生成する可能性があり、活性酸素は、細胞膜脂質、タンパク質、DNAを直接損傷し、皮膚の発がんにつながる可能性のある細胞損傷につながると考えられています。300を超える薬物が光毒性があると分類されているようです。オーストリアとドイツでは、処方薬の約半分が光感受性薬であると推定され、オランダでも、人口の40%以上が光感受性薬を使用しているそうです。

一般的な光感受性薬は次の通りです。(これ以外にもいっぱいありますが)(表は原文より改変)

クラス 医薬品
降圧剤 利尿剤
カルシウム拮抗薬
ベータ遮断薬
ACE阻害薬
ARB
抗糖尿病薬 メトホルミン
シタグリプチン
グリブリド
NSAIDs ナプロキセン
ピロキシカム
抗菌剤 テトラサイクリン
ドキシサイクリン
シプロフロキサシン
レボフロキサシン
その他 アミオダロン
スタチン
ベムラフェニブ
ボリコナゾール

降圧剤のうち、利尿薬、特にサイアザイド系利尿薬の使用は、皮膚がんの基底細胞がんのリスクが1.17 倍になりました。扁平上皮がん(有棘細胞がん)は、サイアザイド系利尿薬の使用でリスクが1.93倍でした。サイアザイド系利尿薬の使用で悪性黒色腫(メラノーマ)のリスクは1.17倍でした。

降圧薬のカルシウム拮抗薬は、ケラチノサイトがん(非悪性黒色腫の皮膚がんで、有棘細胞がんと基底細胞がん)が1.14倍でした。メラノーマも1.11倍です。

ベータ遮断薬は基底細胞がんのリスクを1.09倍、メラノーマのリスクを1.21倍にします。

アンギオテンシン変換酵素阻害薬(ACEi)とアンギオテンシン受容体拮抗薬(ARB)はメラノーマリスクが1.09倍でした。

NSAIDsでは、プロピオン酸誘導体sの使用はメラノーマの可能性が1.33倍になりました。最も一般的に処方されているプロピオン酸誘導体NSAIDsには、ナプロキセン、イブプロフェン、ケトプロフェンなどがあります。

スタチンは「スタチンと皮膚がん」で示した通りです。

抗菌剤では、テトラサイクリン使用で基底細胞がんのリスク1.11倍、メラノーマ1.1倍でした。ニューキノロン系はメラノーマの可能性を1.33倍にしました。

抗菌薬で最も皮膚がんと関連しているのは、ボリコナゾールという真菌に使う薬かもしれません。これは、実験的には様々な機序で直接的に発がん促進作用を示す可能性が指摘されています。有棘細胞がんリスクは1.86倍でした。

降圧薬にしても、NSAIDsにしても、スタチンにしても、特に高齢者では一般的に処方されています。そうすると、皮膚がんの近年の増加は医原性でもあるかもしれません。

自分の身を守るには、まずは医療に頼らないことです。副作用のない薬はありません。

「Photosensitizing Medications and Skin Cancer: A Comprehensive Review」

「光感受性薬と皮膚がん:包括的レビュー」(原文はここ

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