脂肪肝の肥満児は果糖の吸収・代謝が異なる

果糖は猛毒です。果糖は血糖値をそれほど上げないとか、インスリン分泌が少ないなどと考えられていますが、それは個人の代謝によって異なります。特に脂肪肝を発症するほどの状況になっていると、正常な代謝の人とは、果糖を摂取したときの状況が変わります。

今回の研究では、小児で脂肪肝(NAFLD(非アルコール性脂肪性肝疾患))の9人(平均年齢14.3歳、平均BMI 35.3)と脂肪肝の無い肥満対照群6人(平均年齢12.7歳、平均BMI 31.0 )、痩せ対照群9人(平均年齢14.3歳、平均BMI 19.4)を対象としました。 経口で果糖(理想体重1kgあたり1g)を投与しました。どうなったでしょう?(図は原文より)

上の図は、血糖値の推移です。■がNAFLD(脂肪肝)、▲が肥満対照群、🔷が痩せた対照群です。NAFLD群の方が痩せた対照群よりも30、60、90、120、360分後も有意に高くなりました。果糖摂取後120分時点では、NAFLD群の血糖値は肥満対照群よりも有意に高くなりました。

上の図はインスリン値の推移です。ベースラインでは、3つのグループ間で平均インスリン値は有意な差ではありませんが、NAFLD群で高いですね。しかし、果糖摂取後60、90、120分では、NAFLD群のインスリン値は痩せた対照群と比較して有意に高くなっています。痩せた群ではほとんど変化がないのに、NAFLD群ではかなり分泌量が増加しています。

さらに、NAFLD群では、痩せた群と比較して、果糖摂取後のインスリンの曲線化面積が3倍以上です。

上の図は中性脂肪の推移です。痩せ型対照群では、果糖摂取後30、60、90、120、180、270分で、ベースラインと比較して有意に減少しました。NAFLD群はほとんど変化がありません。

上の図は遊離脂肪酸(FFA)の推移です。3つのグループすべてで果糖摂取後に同様に減少しました。すべてのグループでその後のFFA濃度の上昇が見られました。

上の図は、尿酸値の推移です。ベースラインでは、NAFLDの平均血中尿酸値は肥満群で7.5mg/dLで、肥満群の6.1mg/dLおよび痩せ型対照群の4.5 mg/dLと比較して有意に高くなりました。果糖摂取後、尿酸値はどのグループも安定していました。

上の図は、血中の果糖、フルクトース値の推移です。果糖摂取後、痩せた対照群は30分後および60分後の値が高くなりました。痩せた方が血中果糖濃度は高くなりやすいんですね。

尿中フルクトースは、経口果糖投与後の尿中フルクトース排泄量がNAFLD群では41.2 ± 19.4 mg/gクレアチニンで、肥満群の141.5 ± 87.5 mg/gクレアチニン、痩せ型対照群の225.5 ± 78.0 mg/gクレアチニンと比較して、かなり少なくなりました。痩せた群ではおしっこに出してしまう量が多いようです。

上の図は、呼気水素値の推移です。一般的には、小児は果糖の腸管吸収能力が限られていることが知られています。吸収されなかった果糖が大腸に到達すると、腸内細菌に発酵され、代謝産物として水素ガスが発生します。それが血液に吸収されて肺に運ばれ、呼気として体外に排出されます。

果糖摂取後120分後の呼気水素値は、NAFLD群では67.6 ± 62.1 ppmと、痩せ型対照群の23.1 ppmと比較して低くなりました。さらに、NAFLDと肥満対照群は、痩せ型対照群と比較して呼気水素の増加量が小さく、痩せ型対照群と比較して曲線化面積が有意に低くなりました。また、NAFLDの22%、肥満対照群の33%、痩せ型対照群の67%が呼気水素検査で陽性でした。つまり、NAFLDでは、果糖をたくさん吸収してしまうんですね。

NAFLDの小児は痩せた小児よりも果糖をより効率的に吸収、代謝している可能性があります。それは決して良いことではありません。空腹時の尿酸値や中性脂肪値の上昇にもつながります。それよりも、そもそも果糖が脂肪肝を引き起こしていると考えられるので、悪循環です。

現代の果物、100%という名の毒入りフルーツジュース、様々な加工食品や飲料などには、大量の果糖が含まれています。子供でさえ、脂肪肝になってしまうのです。

食育は親の仕事です。子供には果糖を与えすぎなようにしましょう。

「Oral fructose absorption in obese children with non-alcoholic fatty liver disease」

「非アルコール性脂肪性肝疾患を有する肥満児における経口フルクトース吸収」(原文はここ

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