空腹時中性脂肪と非空腹時中性脂肪

もうすぐ春の健診シーズンですね。中性脂肪を測定すると思いますが、150mg/dLまでは正常の範囲とされています。それで本当に良いのでしょうか?

日本における空腹時中性脂肪値のカットオフ値150mg/dL以上は、もともとアメリカのフラミンガム研究の結果に基づいて定義されたもので、日本のいくつかの研究(ここなど)でも空腹時中性脂肪が150mg/dL以上で冠動脈疾患のリスクが増加することが示されています。しかし、この基準値は高すぎる気がします。

今回の研究では、虚血性心疾患または脳卒中の既往歴のない40〜69 歳の日本人の14,908のサンプルを対象に、虚血性心疾患発症の最適なカットオフ値を推定しました。非絶食(食後8時間未満)の参加者10851人と絶食(食後8時間以上)の参加者4057人です。

その結果、虚血性心疾患発症リスクは、空腹時の中性脂肪のカットオフ値は110 mg/dLで1.69倍、非空腹時では145 mg/dLで1.43倍でした。

アメリカの研究(ここ参照)では、非空腹時中性脂肪が 175 mg/dL を超える場合では、それ未満の場合と比較して、心血管イベントのリスクは 1.88倍で、 最後の食事から 0–4 時間では、2.05倍、4–8 時間後では1.68倍でした。

私は、せめて空腹時は100mg/dL未満が良いと思っています。非空腹時はわかりませんが、上の日本の研究の145 mg/dLを下回る方が良いでしょう。

もう一点、もし空腹時で中性脂肪を測定したいのであれば、8時間では足りないこともあるかもしれません。特にアルコール摂取をしている人は、12時間でもだめかもしれません。(「糖質制限をしても中性脂肪値が低下しない原因の一つはアルコールである」など参照)

ただ、健診のために数値を整えても仕方がないので、ありのまま測定するのもありでしょう。TGスパイクも良くないので、前夜にアルコールを飲んだとしても、非空腹時でも150mg/dLを超えるのであれば、要注意でしょう。

「Optimal Cut-off Points of Nonfasting and Fasting Triglycerides for Prediction of Ischemic Heart Disease in Japanese General Population: The Circulatory Risk in Communities Study (CIRCS)」

「日本人一般集団における虚血性心疾患予測のための非空腹時および空腹時トリグリセリドの最適カットオフ値:循環器リスクコミュニティ研究(CIRCS)」(原文はここ

2 thoughts on “空腹時中性脂肪と非空腹時中性脂肪

    1. 鈴木武彦さん、コメントありがとうございます。

      もうすぐLp(a)を下げる薬が出ると、Lp(a)にうるさくなるでしょう。
      その後中性脂肪を大きく下げる薬が出てくるので、そうすると、
      中性脂肪に厳しくなる可能性があります。
      わかりやすいです。

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