スルホニルウレア薬は心臓突然死の高いリスクと関連している

糖尿病でスルホニルウレア薬をいまだに飲んでいる人は少ないかもしれません。この薬、色々なリスクを上げてしまいます。いまだに処方している医師がいるのであれば信じられません。

今回の研究では、スルホニルウレア薬とメトホルミンを比較して、心室性不整脈または心臓突然死のリスクを分析しています。香港で2型糖尿病と診断された、または抗糖尿病薬を処方された40歳以上の患者が対象で、メトホルミン使用者16,596人(男性47.70%、平均年齢68歳、平均追跡期間4.92年)とスルホニルウレア使用者16,596人(男性49.80%、平均年齢70歳、平均追跡期間4.93年)です。(図は原文より)

上の図は心室不整脈または心臓突然死に対するメトホルミン対スルホニルウレアの生存曲線です。心室不整脈または心臓突然死の発生と、インスリン使用の有無、以前からの心疾患の有無で分けた図になっています。青がメトホルミン使用者、赤がスルホニルウレア薬使用者です。明らかにスルホニルウレアの心室不整脈または心臓突然死が多いことがわかります。

スルホニルウレアはメトホルミンと比較して、全体では1.90倍、心臓弁膜症や心筋症の病歴がない患者で1.97倍、心不全の病歴がない患者で1.94倍、インスリン使用者で1.82倍、インスリン非使用者で1.92倍、冠動脈疾患のある人で1.64倍、冠動脈疾患のない人で1.95倍心室不整脈または心臓突然死のリスクが高いことと関連してました。

これまでも様々な研究でスルホニルウレアの危険性は指摘されてきました。(「2型糖尿病でメトホルミンをSU(スルホニルウレア)薬に変更すると心血管疾患および低血糖イベントのリスクが増加するかもしれない」「インスリンとスルホニルウレアは心血管イベントを増加させる」など参照)

もういい加減発売中止にすべきでしょう。

 

「Sulfonylurea Is Associated With Higher Risks of Ventricular Arrhythmia or Sudden Cardiac Death Compared With Metformin: A Population-Based Cohort Study」

「スルホニルウレアはメトホルミンと比較して心室性不整脈または心臓突然死の高いリスクと関連している:集団ベースのコホート研究」(原文はここ

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