子宮内膜症を有する女性の内皮機能障害と終末糖化産物

子宮内膜症の患者数は増加傾向にあるとされています。「日本子宮内膜症啓発会議」の見解によれば、2013年時点での子宮内膜症患者数は推計260万人以上であるとされています。本当にそれだけいるのかどうかは不明ですが。

増加の原因として、あるサイトの情報では次のように書かれています。(ここ参照)

子宮内膜症患者が増加しているとされている理由
先ほどの政府統計にもありましたが、平成に入ってから子宮内膜症の患者数は増加傾向にあります。その理由は「女性のあり方」が、ここ数十年で大きく変化したことにあります。

女性の社会進出とライフスタイルの変化
子宮内膜症の罹患率が上昇傾向で推移している最大の原因は「女性の社会進出」と、それに伴う「女性のライフスタイルの変化」です。1990年代から、女性の社会進出が顕著になり、それまでの「女性は家庭に入る」という考えが少しずつ見直されました。女性の多くが会社等で働くようになり、ライフスタイルもそれに応じて変化しています。

晩婚化・晩産化による子宮内膜症リスクの増加
その最大の影響は「晩婚化」と「晩産化」です。社会進出するようになったことで女性の結婚および初婚の年齢が一昔前より高くなりました。さらに、社会進出による女性に対するストレスの増加も危惧されています。

晩婚化と晩産化が子宮内膜症に及ぼす影響は「月経回数の増加」です。子宮内膜症の詳しい発症原因は特定されていませんが、月経が深く関係し、月経を経るごとに症状が悪化するということは判っています。そのため薬物療法として偽閉経療法や偽妊娠療法がとられることがあるのですが、晩産化によって若年層の月経回数が増加したことによって月経に関係する病気の発症リスクが高まってしまったのです。

同様に、「子宮筋腫」「子宮頸がん」「子宮腺筋症」といった女性特有の病気の患者数が増加したり、若年層に多く見られるようになったという変化を起こしています。

いやに断定的に書いていますね。仮説をここまで断言できるとは・・・月経回数の増加が原因であれば、20代でもはや子宮内膜症になってしまうのは早すぎませんか?

私は以前の記事「子宮内膜症は糖質過剰症候群」で書いたように、子宮内膜症は代謝障害で、特に糖質過剰摂取で起こる糖質過剰症候群だと考えています。それはその記事で示したように、インスリン抵抗性と関連していることにあります。

今回の研究では、子宮内膜症と終末糖化産物(AGEs)との関連を評価してます。20~40歳の女性45人(子宮内膜症患者21人と健常者24人)が対象です。

デバイスを用いて、内皮機能を評価する、RHI(反応性充血指数:reactive hyperemia index)、動脈硬化度を示す、心臓が血液を送り出す際に発生する駆出波と分岐や末梢からの反射波の比率(AI:augmentation index)、皮膚AGEs蓄積量を調べました。(図は原文より)

上の図に示すように、子宮内膜症患者の平均 RHI (図のA)は、健常者と比較して低くなっており、RHI 値 ≤ 1.67 と定義される内皮機能不全の割合(B)は、対照群で20.8%、患者群では52.4%になりました 。AGE Reader を使用して測定した皮膚AGEs(C)は、対照群と比較して患者群の方が高くなりました。

つまり、子宮内膜症患者は、内皮機能の低下と皮膚へのAGEs蓄積の増加が認められるのです。これは糖質過剰摂取で起きることです。

ある研究(ここ参照)では、子宮内膜症患者では卵胞液中のAGEs受容体(RAGE)の濃度が有意に上昇していました。

またある研究(ここ参照)では、肥満の女性の子宮では、痩せた女性の子宮と比較して子宮腔(子宮洗浄液)内のAGEsが有意に上昇し、肥満子宮内膜組織におけるAGEs、RAGE、NFkBのが増加していました。

ただ、実は痩せた人の方が子宮内膜症が多いことも知られています。(ここ参照)恐らくは局所的なインスリン抵抗性が関係しているのではないかと思います。BMIの低下は原因ではないでしょう。インスリン抵抗性=肥満ではありませんから。

いずれにしても、糖質過剰摂取はインスリン抵抗性、慢性炎症を起こし、酸化ストレスも増加させます。子宮内膜症で悩む前に、糖質制限をしましょう。

「Cardiovascular risks and endothelial dysfunction in reproductive-age women with endometriosis」

「子宮内膜症を有する生殖年齢女性の心血管リスクと内皮機能障害」(原文はここ

One thought on “子宮内膜症を有する女性の内皮機能障害と終末糖化産物

  1. 同僚の女性と糖質制限の話になった際、
    「女性は甘いものは必須なのよ」
    という(根拠不明の)返しをされた事
    思い出しました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です