みなさんも「白衣高血圧」という言葉を聞いたことがあると思います。白衣高血圧とは、「診察室や医療現場で測定した血圧が高血圧(140/90 mmHg以上)であっても、診察室外血圧が正常域血圧(家庭血圧 135/85 mmHg
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高齢者は血圧が高い方が死亡率が低下する
これまでも、高齢者の血圧に関して記事にしてきました。(「高齢者の血圧を下げると死亡率が上がる」「高齢者は血圧を下げすぎてはいけない! その1」など参照)80歳を超えていても、若い成人と同じようにガンガン血圧を下げられてい
LDLコレステロール値が高いだけではアテローム性動脈硬化は起こらない その1
LDLコレステロールはいまだに「悪玉」と呼ばれ続けています。しかし、単にLDLコレステロール値が高いだけでは問題にはなりません。よく目にするのが、血管の中のLDLが内皮細胞をすり抜けて内膜に至り、そこで酸化してマクロファ
冠動脈疾患のリスクはインスリン抵抗性が最も重要
中性脂肪が高かったり、HDLコレステロールが低かったりすることは、心血管疾患のリスクを増加させると考えられています。中性脂肪/HDLコレステロール比の上昇はLDLを小さな危険なsdLDLに変化させる可能性を高くします。(
なぜ日本だけがくも膜下出血が増えているのであろう?
今回の研究を読む前は、くも膜下出血も糖質過剰症候群ではないかと考えていました。それは脳動脈瘤の発生に炎症が強く関係していることや、血管のグリコカリックスも関係していると考えられるからです。また日本のデータでは肥満との関連
赤血球の形状の変化と病気 その3
「その1」「その2」では赤血球の形状が高血糖や鉄によって変化することを書きました。糖尿病での赤血球の形状の変化は血管の合併症をもたらすと考えられ、鉄イオンが非酵素的血液凝固を活性化し、走査型電子顕微鏡(SEM)で実証可能
肉よりも魚や野菜は健康的か?
久しぶりのブログ更新となってしまいました。週末私用で東京に一時的にいたのですが、帰りの飛行機が台風15号の影響で欠航となり、その次の日も台風の影響でなかなか帰ることができず、さらに仕事の調整など大変な数日でした。 それに
ヨーロッパ心臓病学会とヨーロッパ糖尿病学会が共同で出した糖尿病、前糖尿病、および心血管疾患に関する2019 ガイドラインが酷い
ヨーロッパ心臓病学会(ESC)はヨーロッパ糖尿病学会(EASD)と共同で糖尿病、前糖尿病、心血管疾患に関する2019年版の新しいガイドラインを出しました。 その17ページに食事に関することが書かれています。その内容は、残
正常BMIの閉経後女性の脂肪の付いている部位と心血管疾患リスクとの関連
体に付いている脂肪はどこに付いていても同じ、というものではありません。お腹周りの脂肪、内臓脂肪は様々なリスクと関連しています。この内臓脂肪を増加させる最も大きな原因は「果糖」です。 今回の研究では、正常なBMIの閉経後の