PPI(プロトンポンプ阻害薬)と胃食道逆流症と認知症リスク

何でこんなに多くの人がPPI(プロトンポンプ阻害薬)を飲んでいるのでしょうか?人間の体は欠陥商品で、いつかは胃酸が逆流しはじめ、PPIを飲まないとまともの人生が送れなくなるのでしょうか?

私は胃食道逆流症(逆流性食道炎)は糖質過剰摂取による糖質過剰症候群だと思っています。(「逆流性食道炎の発症の予測因子は糖質過剰摂取」「糖質制限は胃食道逆流症を改善する」「糖質制限と逆流性食道炎の改善」など参照)

このPPI、高齢者でもいっぱい飲んでいます。PPIはスタチンと並んで2大マッチポンプ薬ですので、様々な弊害をもたらします。高齢者ではやはり認知症が気になるでしょう。

以前の記事「逆流性食道炎と認知症」「PPI(プロトンポンプ阻害薬)は認知症のリスクを高める」でも書いたように、PPIは認知症リスクを上げるとする研究がいくつもあります。PPIは動物実験上では血液脳関門を通過し、脳のアミロイドβを増加させると考えられています。(この論文参照)(アミロイドβは認知症の原因ではありませんよ)

また、PPIはビタミンB12の欠乏も招きます。それも影響するかもしれません。

もちろん、認知症と胃食道逆流は原因が同じなので、胃食道逆流があると認知症リスクが上がるのかもしれません。

ある研究では胃食道逆流患者は1.34倍認知症リスクがあり、70歳以上の胃食道逆流患者で1.34倍、胃食道逆流は女性の認知症リスク1.40倍でした。胃食道逆流のあるPPI使用者は、胃食道逆流のないPPI使用者と比較して認知症リスク1.32倍の増加でした。

これを見ると、PPIそのものよりも胃食道逆流が悪さをしている感じもします。

しかし、PPIの累積規定 1 日用量 が最も多い胃食道逆流群の認知症リスクは3.93倍にもなっていましたので、やはりPPIも認知症リスクを大きく上げると思います。

PPIで胃食道逆流症という病気が治るわけではありません。逆流は起きなくなるかもしれませんが、根本的に治癒したわけではありません。そして、止めたらPPIによって起きるリバウンドがありますので、再発したと思い込まされます。そして、根本的な改善を行わずにPPIを飲んでいると、糖質過剰症候群は進行し、様々なPPIの有害事象が現れ、様々な重要な栄養吸収が悪くなり、どんどん体は蝕まれていきます。

まずは糖質制限です。

「Higher Dementia Risk in People With Gastroesophageal Reflux Disease: A Real-World Evidence」

「胃食道逆流症患者では認知症リスクが高い:現実世界の証拠」(原文はここ

One thought on “PPI(プロトンポンプ阻害薬)と胃食道逆流症と認知症リスク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です