効果を維持するためにはやっぱりやめることができないGIP/GLP-1受容体作動薬

2型糖尿病治療薬として使用されるGLP-1受容体作動薬ですが、チルゼパチド(商品名:マンジャロ)というGLP-1受容体に加えてグルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド(GIP)受容体にも作用する薬があります。(マンジャロって、なんじゃろ?)

この薬体重減少効果が非常に強いので、海外では肥満治療にも適応承認されて使われているようです。(ここ参照)

以前の記事「効果を維持するためにはやめることができないGLP-1受容体作動薬」で書いたように、GLP-1受容体作動薬で体重が減少しても、その薬をやめたら元に戻ってしまいます。つまり、減少した体重を維持するには、完全に薬に依存しなければならなくなるわけです。

さて持続性GIP/GLP-1受容体作動薬チルゼパチド(マンジャロ)は止めたらどうなるのでしょうか?(図は原文より)

上の図は36週までチルゼパチドを投与し、その後はそのままチルゼパチドを投与する群とプラセボ群に分けたときの体重や腹囲の変化を示しています。プラセボ群ではすぐにリバウンドが始まっています。ベースラインまでは戻っていませんが、体重は20%以上減少したのがマイナス9.9%まで戻りました。

もちろん10%リバウンドするのに1年かかっているので、すぐに戻っているわけではありませんが、恐らくもう1年も経つとベースラインにまで戻りそうです。

さらに、以前の記事「糖尿病においてGLP-1受容体作動薬やSGLT-2阻害薬で起こる筋肉量の減少」で書いたように、GLP-1受容体作動薬では体重減少の約40%が除脂肪、つまり筋肉の減少で起きているのです。そうすると、今回の研究で薬をプラセボに変えて1年後のベースラインから約10%減の時点でも、かなり筋肉量が落ちて、それでベースラインまで戻っていないだけかもしれません。

いずれにしても、体重減少を維持するためには、薬に依存しなければなりません。高い薬をずっと使い続ける仕組みを医療側は作り上げたのです。

副作用のない薬は存在しません。GLP-1薬は様々な副作用の懸念があります。(「糖尿病薬?やせ薬?GLP-1受容体作動薬の副作用 その4 がん」「その7 甲状腺がん」「その6 胃腸有害事象」「その2 自殺リスク」など参照)

肥満は糖質過剰症候群です。安易に薬で体重が減ったとしても、そのかわりに何か取り返しのつかないことが起きなければ良いのですが。

 

「Continued Treatment With Tirzepatide for Maintenance of Weight Reduction in Adults With Obesity: The SURMOUNT-4 Randomized Clinical Trial」

「肥満成人の体重減少維持のためのチルゼパチドによる継続治療: SURMOUNT-4 ランダム化臨床試験」(原文はここ

2 thoughts on “効果を維持するためにはやっぱりやめることができないGIP/GLP-1受容体作動薬

  1. はじめまして。いつもブログを拝見しております。
    私、調剤薬局で薬剤師をしておるのですが、この薬についてはたまに聞かれます。
    「痩せるんでしょ?」と・・・
    都度、「食生活見直さないとリバンドする」「副作用もある」とお伝えはしているのですが、
    痩せればいいという意識が先行しているのか、納得せず帰られます 苦笑
    情報源はやはりネット広告らしく。規制してほしいものです。

    1. 薬剤師Kさん、コメントありがとうございます。

      規制は難しいでしょう。製薬会社は巨大なスポンサーですから。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です